DASP
オーストラリア人や永住権を持っている人にとって、年金であるスーパーアニュエーションは老後のための大切な資産の一つです。しかし、一時滞在ビザである学生や就労またはワーキングホリデービザの保持者で、オーストラリアに永住する又は市民権を取るつもりのない人にとっては為替リスクのある資産です。そのため、一時滞在ビザ保持者に対してはスーパーアニュエーションの払い戻しを申請できる制度があり、DASP (Departing Australia Superannuation Payment)と呼ばれています。
DASPの申請
払戻の申請はオンライン、郵送、又は仲介業者に依頼する方法があります。仲介業者とはDASP仲介業者として登録されている登録税理士のことを指します。オンラインの場合はDASP専用システムから(年金がATOに送られている場合はMyTaxから)申請します。郵送の場合はスーパーアニュエーションファンド(年金基金)へ直接申請することになりますが、口座が複数の年金基金にある場合はそれぞれの年金基金に申請する必要が有りますので、注意が必要です。オンライン申請もしくは仲介業者に依頼する場合は、年金基金が複数であっても一度で申請することができますので、郵送よりお勧めです。口座残高が5,000ドル以上のDASPを申請する場合は、申請方法に関わらずIDのCertified Copyが必要ですので、オーストラリアを出国する前に用意しておくか、仲介業者に依頼した方がよいでしょう。2018年度以降、ワーキングホリデービザでのスーパーアニュエーションが含まれている場合は65%、それ以外は35%または45%の税金が源泉徴収されます。
ワーホリビザから学生ビザに切り替えた場合などでも、ワーホリ滞在時からのスーパーアニュエーションが含まれている場合、払い戻しの際に全ての口座残高に対してワーホリの税率が適用されてしまうため注意が必要です。
DASPの申請資格
DASPを申請するには、オーストラリアから出国しビザが失効している必要が有ります。就労ビザやワーホリビザが失効していても、その後一時的にオーストラリアへ来るためにETAを取得した場合、ETAが失効するまでDASPを申請できません。ビザやETAが有効である場合は、 Certification of Immigration Status and/or request to cancel a Temporary Resident visa (Form 1194)を[email protected]へ送って、当該ビザを無効にする必要が有ります。
日本語でDASPを説明するウェブページにて、ビザ失効後5年以内に申請する必要がある(5年以上経過するとスーパーの引き出しができない)と書いてある事がありますが、2009年4月以降、申請期限は定められていませんので、帰国後何年たっても申請する事は可能です(2024年4月現在)。
また、永住権保持者の方は、DASPの申請はできませんが、特別な事情がある場合や、金銭的に窮地にいる場合、または、生命に関する病気にかかっている場合等の事情があれば60歳になる前にスーパーを引き出す事が可能ですのでお使いのSuperannuation Fundに問い合わせしてみてください。
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