ビジネスタックスリターン

事業形態とタックスリターン

主なビジネスの事業形態としては、個人で事業を行うソロトレーダーの他、法人で事業を行うパートナーシップ、トラストやカンパニー(会社)等の形態があり、それぞれの形態に合わせたタックスリターンが必要です。ソロトレーダーであれば個人のTFNとABNを使用し、法人であればそれぞれの法人で取得したTFNとABNを使用します。事業形態についてはこちらから

Individual Tax Return

ソロトレーダー(個人事業)でビジネスをする場合には、個人のタックスリターンにおいて事業の損益を計上します。ビジネスの損益であっても個人の税率が適用されますので、ビジネスの利益を含めた課税収入が一定額を超える場合、会社としてビジネスをする場合に比べて税額が多くなることがあります。なお損失が出た場合は、以下の4つの条件のうち一つでも満たせば給与所得等その他の収入と相殺することができます。

4つの条件 (Non Commercial Losses Four Test)

  • 20,000ドル以上の事業収入。
  • 過去5年の内3年以上で利益を出している。
  • ビジネスにおいて500,000ドル以上の土地建物等の不動産資産(住居として使用しているものや住居と繋がっているものを除く)を常時使用している。
  • ビジネスにおいて100,000ドル以上の有形または無形の資産(不動産、車や自動二輪などを除く)を常時使用している。例:製造機器などの固定資産、在庫などの棚卸資産、製造機器などの賃貸資産、特許や版権等の権利資産等

以上の条件に一つも該当しない場合、ビジネスの損失はビジネスの利益でしか相殺することはできないため、ビジネスに利益が出るまで損失は先送りされ、利益が出たときに相殺することになります。

Partnership Tax Return

複数の個人または法人がパートナーシップとしてビジネスをしている場合、パートナーシップタックスリターンにてビジネス全体の損益とそれぞれのパートナーへの損益の分配を申告します。その上で、分配された利益や損失は各パートナーが個別のタックスリターンに含めて申告し、パートナーシップとして税金を支払う事はありません。その際、パートナーが個人であれば個人の税率を適用し、法人であれば改めて法人のタックスリターンを行うことによって税額が算出されます。

Trust Tax Return

トラストにてビジネスをしている場合、トラストタックスリターンにてビジネス全体の損益とそれぞれの受益者(Beneficially)への利益の分配を申告します。その上で、分配された利益はそれぞれの受益者が個別のタックスリターンに含めて申告することになります。受益者が個人であれば個人の税率を適用し、法人であれば改めて法人のタックスリターンを行うことによって税額が算出されます。なお、複雑な条件によってはトラスト自体が税金を支払う事もあります。

Company Tax Return

カンパニー(会社)を設立して事業を行う場合、カンパニータックスリターンにて損益を申告します。利益にはカンパニーへの税率が適用され会社自体が税金を支払います。2018年度、売上が2500万ドル(2019年度は5000万ドル)以下であれば27.5%、それを超える額であれば30%の税率が適用されます。

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